腐女子に特有なこと

腐女子を見てると、独特な習性が色々ある。

うちの娘も腐女子で、私の知人にも腐女子は多いので

「全員に100%当てはまる」ってのはなかなか無いのも分かってはいるんだけど、

でもやっぱり腐女子特有だと思うことが沢山ある。

 

よく腐女子自身は「たまたまBLなだけでNLや百合と何も変わらない」と

言うけれど、私にはどうしてもそう思えない。

そして「腐女子はどうして腐女子になってしまうのか」を考える時に

この腐女子特有の習性がうまく説明できなければ、納得できない。

そういうわけで、私が思う腐女子に特有な事を列挙してみる。

 

攻め受けが必ずある

私は、攻め受けがないBLを見たことが無い。

娘に聞いてみたら「多分それはもうBLではない」と言われた。

とにかくBLの男キャラは必ず攻めか受けに振り分けられる。

面白いことに腐女子は読み切りの商業BLを読んでいても、序盤から

「多分こっちが受け」と予想しながら読み進み、予想が外れると

「アレッてなった」などと言う。

そして攻め受けの予想が外れることは、かなり残念なことらしい。

 

しばらく前に「百合BL」というBL本のタイトルでtwitterが炎上してたけど

炎上は置いといて、この「受け×受け=女×女=百合」という考え方に

興味が湧いた。百合BLという用語は、百合界隈だと「声だけ男のネタ動画」

のことだったり「BLみたいに男前な百合」だったり、ゲイ界隈だと

「両方が女装したプレイ」だったりするらしい。それが腐女子にとっては

「受け×受け」のBLという意味になる。まぁ浸透してないようにも見えるけど。

 

それにしてもなんで攻めがいない世界なのに受けだと分かるんだろうか?

「攻め受けのないBL」じゃなくて「受け×受けのBL」なのだ。

ここからもやっぱり腐女子は必ず攻め受けを設定するんだなと感心する。

 

考えてみると「攻めがいなくても受けは受け」ってのは腐女子あるあるで、

よく腐女子は新しいジャンルに手を出すか迷った時に「受けはいるんだけど

攻めが見当たらないんだよね~」とか言う。そして関係性の低いキャラを

むりやりくっ付けた二次創作を見ると「攻めを都合のいい棒扱いするな」とキレる。

またタレントなどの話題になると「せーので攻めか受けかみんなで言う」とかやって

一致すると盛り上がったりもする。

つまり攻め受けはカップリング単位ではなく人物単位で決まってるらしい。

 

BL作品ではなく一般作品で二次創作する

腐向け同人が大量に作られる作品を見てると、もとからBLの作品が全くない。

ネットで二次創作を見てると、NLや百合はいわゆる公式カップリングの

二次創作が多いけど、腐向けは公式がBLじゃないから、基本全部が

捏造カップリングってことになる。

 

とは言っても最近は、腐向け作品というか一般作品を装ったギリギリBL

みたいな作品が激増していて、腐女子の間で爆発的に流行るのはそういう、

具体的に言うとおそ松さんとかユーリオンアイスとかおっさんずラブみたいな

作品になっている。

昔はジャンプ漫画が餌食になりやすかったから一般ファンとの軋轢も多かったけど

今はいくらか住み分けが出来ていると言えなくもない。

 

ただ私が不思議に思うのは、もうあそこまで露骨に腐女子を釣るんなら

BL作品ですと公言してしまった方がいいんじゃないの?と。

そうすればギャグアニメやスポーツアニメだと思って裏切られる

不幸な一般人も居なかったろうに。

 

ためしに、あんスタにそこそこ貢いだ娘に聞いてみた。

あんスタは娘いわく、いわゆる腐向け作品、腐女子狙い作品だ。

しかし、もし公式がBLだと断言してしまったら、あるいはゲーム内に

恋人同士と明言された男キャラが投入されたらファンは歓迎するのか?

娘が言うには「多分何割か去る」と。

 

これはネットを見ていても明らかで、例えばおそ松さんは腐向けアニメなのか?

という質問に、ハマった腐女子ほど「腐向けじゃない、一般アニメだ」と言い張り

ハマらなかった外野ほど「腐向けアニメだ」と言いたがる。

 

制作側にもすでにそういうマニュアルがあるに違いない。

腐女子を狙うならBLにしてはいけない」と。

  

00年代くらいまでの腐女子はもっとプライドが高かったような気がしていて、

あまりに腐媚びが透けて見えると「萎える」と叩かれヒットもしにくかった。

それが今は腐女子ウケしそうなキャラを投入するとまんまとヒットする。

うちの娘のように「露骨に腐女子狙いだと、許された…って思うよね」

とポジティブに解釈し、また「多分こいつは女とくっ付かない」という安心感で

素直に餌を食ってくれる腐女子が増えたように思う。

なのに公式が「BL作品です」「BLキャラです」と言ってしまったら、

それは違うらしい。BLと言われてしまうと二次創作や妄想の対象外となり

ただ鑑賞するものとなるらしい。

「あれだね、腐媚びは燃料だけどBLは燃えたあとのやつだから」と。

まぁ腐女子の全員がそういう考え方ではないと思うけど、BL作品の二次創作が

極端に少ないことを考えると、少なからずこういう心理はあるんじゃなかろうか。

 

腐妄想の対象が異様に広い

上と似た話なんだけれど、二次創作全般を見渡した時に

腐女子ほど、なんでも妄想の餌食にする人種はいないと思う。

場合によっては女キャラを男体化させたり、物体や概念を擬人化させたり、

あるいは擬人化すらせずにそのまま腐妄想する。

また芸人、スポーツ選手、棋士、政治家など、実在する人物での二次創作も多い。

NLや百合、男性向けだと、ネタならまだしも本気の二次創作は非常に少なく

あっても声優やアイドルがほとんどだ。

 

もし腐女子がやるように、男オタクがなかよしやちゃおをこぞって買っては

百合妄想やエロ同人で盛り上がっていたら…と考えると身の毛がよだつんだが

それを腐女子は30年以上前から精力的にやってるのだ。

 

LGBTとの親和性

これは前の日記で書いた。→腐女子とLGBTの密接さ

もちろんこれも全員には当てはまらない。うちの娘もそういう傾向は無いっぽい。

 

ただ割合としては多いってだけだ。

そう言えば昔の腐女子のサイトには、よく「生物学上は女」というよく分からん

自己紹介があった。…ためしに調べてみたら今も健在だった。

 

私が不思議なのは、イケメンを萌え対象にしている点で腐趣味は女性的だし

しかも攻め受けという男役・女役が存在している点で保守的だとも思う。

もっと言えば、イケメンに女の役目をロールプレイさせてるのがBLだとすら私は思う。

なのに当の腐女子の意見を見ていると、どうも逆の感覚を持ってる人が多いっぽい。

つまりBLは旧来の男女観に風穴を開ける自由な恋愛形態なのだと。

  

学級会、ルールの多さ

これも不思議に思ってることなんだけど

なんで腐女子界隈はこんなにルールやマナーが多いんだろうか。

また「隠れるべき」という考え方の人も多い。

いや、羞恥心や権利面を気にして自主的に隠れる人がいるのは理解できるが

隠れる「べき」というルールを作って守らせようとしている人の多さに驚く。

 

羞恥心や権利面、あるいは一般的なファンへの配慮だけが目的なら

あらゆる二次創作が同じ風潮になってそうなものだ。

 

それに腐向けはタグや注意書きが非常に厳密で、

腐向けでABとBAを書き間違ったら地雷持ちが発狂する。

それに比べると百合のABとBAはおおかた、ただの表記ブレだ。

  

いや、夢や百合が平和なわけではないし、同担拒否とか、

百合界隈が炎上してるのはよく見かける。上に書いた百合BLでも百合界隈が

相当キレてたし、けして平和で寛容なわけじゃないのだ。

でも腐女子ほどの細かいタグや注意書きのルールは、なぜか無いのだ。

 

 

 

 

 

・・・なんか腐女子に怒られそうなことばかり書いたけど、

正直いって私は腐女子にさんざん嫌な思いをしてきたので、憂さ晴らしも兼ねている。

  

とにかく「腐女子はなぜ腐女子になってしまうのか」を考える時に、

ここにあげた特徴が説明できないと私は納得できないのだ。

 

例えばネットを見回すと、こういう意見がある。

「少女漫画などのヒロインと自分を較べて惨めになったり共感できないから、

女のいないBLの世界に安心感を求めているんだ」と。

でももしそれだけなら攻め受けは必須じゃないし、そもそもBLである必要がない。

イケメンがワイワイしてればそれでいいはずなのだ。

 

「少年漫画は恋愛要素が少ないからとっつきやすく、そこから自然と腐女子になる」

という意見も同じで、じゃあBL改変する必要性がない。

 

 

「傍観者になりたいから」というのも同じで、攻め受けは無くてもいいはずだし

細かいルールや地雷が生まれるのも説明できない。

それに商業BLで事足りるはずで、二次創作の市場の方がデカい理由が見つからない。

 

もしかすると、ひとつじゃなく複数の理由が絡み合っていたり、

腐女子とくくられている中にもいくつかのタイプが混ざっているかもしれない。

ただ「攻め受け」これだけはどうしても必須のようなので、何か理由が

あるはずだ。