腐投影説

 

※昔ヤフーブログに書いた日記を推敲・移動しています

 

腐女子はなぜ腐女子になってしまうのか?」について

今のところ投影(投射)で考えるのが一番しっくり来る。

これを「腐投影説」と勝手に名付けて説明してみる。

 

性欲を抑圧→受けに投影?
ざっくり説明すると、こうだ。
まず腐女子は思春期に異性への性欲を抑圧し、無意識に追いやってしまう。
これによって自己認識としては「性欲なんて無い」となるが
自覚が無くなってるだけで、性欲自体はある。
で、アニメなどを見ていてイケメンキャラに性的興奮を感じた瞬間に
あるはずのない性欲に襲われ混乱し、とっさに
その感情をキャラに投影してしまう。
 
まぁこれだけなんだけど
「はぁ?」と思った人のために、もうちょっと説明してみる。
 
 
 
投影と自己投影は違う
 「投影」ってのは、自分の中に湧いた受け入れがたい感情や衝動を
別の誰かが抱いているものだ、と思い込んでしまう現象だ。
例えば自分の浮気願望を認めたくない人ほど恋人の浮気を疑うとか、そんなやつ。
  
よく腐女子や夢女子が「キャラに自己投影してる・してない」で叩き合うけど
あれは全く別ものだ。 
 (自己投影については→女オタクが言う「自己投影」とは何なのか
 
 
 
腐女子はだいたい思春期に目覚める
 この説を考えた理由がいくつかある。
そのひとつが、腐女子の大半が高学年~中高生あたり、
つまり思春期に腐に目覚める点だ。
そして大人になるうちに卒業する人も多い。
 
思春期は、異性に向かって性的な感情を持ち始める時期だ。
 
これは一部の女子にとってはなかなか受け入れにくい。
 
女子は性欲を外に出してはいけないという心理的ブレーキがかかっている。
これはほぼ本能だと思う。
 
かなりの哺乳類が、オスが積極的に求愛活動してメスは見定める側だし
色々なサルの行動を見ててもこれはもう宿命なんじゃないかと思う。
 
それに男子の性欲の発散方法はわりと確立していて
エロ本もあるし少年漫画にもお色気シーンがよくある。
下ネタや下品な発言も男子ならある程度許される。
 
女子のための娯楽は少女漫画やファッションなど、
性欲のままではなく恋愛などに昇華されたものが大半だ。
これらは自分が女であることを受け入れてないと楽しみようがない。
 
女子は、湧いた性欲を即座に恋愛感情に昇華させながら、社会的に
好ましい女子像に速やかに合流していかなければいけない。
これは親や社会から強制されるというよりは、女子が自発的に
そうならなければいけない、と思い込んでいるような気がする。
 
そして性欲を抑圧しすぎると、リアル恋愛どころか
可愛い服を着たり化粧をしたり、ラブストーリーにも嫌悪を感じ始める。
抑圧よりも昇華の方が高度な対応なのだ。
 
 
結果、「女」につまづいてしまったタイプの女子は、
性欲を発散できないまま足踏みをすることになる。
そこで仕方なく「性欲なんてない」ことにして無意識に追いやり、
おしゃれや恋愛ものに背を向け、少年漫画などを漁るようになる。
 
  
 
キャラへの性衝動を受けに投影
 
腐女子が決まって少年漫画を見ているのには、ちゃんと理由がある。
少女漫画が女っぽくて受け入れにくいのに対して、児童でも読める
少年漫画はハードルが低いというのももちろんあるけど、
何よりイケメンがたくさん出てくるのだ。
さっきも書いたけど、性欲は抑圧してるだけでちゃんとあるので、
性対象である男性にはめっちゃ興味がある。でも女は見たくない。
だからジャンプを読むわけだ。
 
ただ、この時点では腐目線で見ているわけではない。
ある瞬間に突然目覚めるのだ。
 
それはキャラに性的興奮した瞬間で、この時、腐女子の中では
「ない」としたはずの性欲が湧きあがる。これが受け入れられない。
とっさに投影が起き、自分が今感じた性的興奮は、このイケメンキャラが
発しているものだ、と認識してしまう。
 
 …と書くといまいち分かりにくいので、もうちょっと噛み砕くと
 
女っぽい趣味が苦手→ジャンプを読む→男キャラに激しい萌えが湧く
→でも自分がそのキャラと付き合いたいと考えると激しい嫌悪に襲われる
→この性衝動はキャラが発しているものであって私とは無関係だと思い込む
…って感じだ。
 
受けに投影されるのは「女」としての性欲
 そういうわけで、女子はこの妙に性的に映るイケメンを「受け」と名付け
「攻め×受け」の恋愛妄想にふけることになる。
 
なんでイケメンに欲情したのに、そのイケメンと自分で妄想しないの?
と普通の人なら思うところだが、さっきも書いたように、腐女子
自分の性欲を抑圧してしまってるので、それはあってはならない。
 
それに「受け」に投影されているのは、けして「理想の彼氏像」ではなく
自分自身の女としての性衝動なのだ。
だから、この「受け」は男と恋愛しなくてはいけない。
女としての欲求を叶えるのが「受け」なのだ。
これがBLというわけだ。
 
まぁ私の仮説だけど。てかとっくに言われてる気がしてきた。
 
 

攻め・受けのないBLは存在しない
 前々から不思議でしょうがなかった事のひとつに、
「なぜBLには必ず攻め・受けがあるのか?」というのがある。
 
百合だと、攻め・受けのないものも多い。
漠然と男役、女役があるものでも、タグは一緒くたのケースが多く、
百合オタが攻め受けにあまりこだわっていないことが分かる。
 
「精神的百合」とか言われるように、百合が目指すものはレズビアンじゃなく
友情の延長、あるいは混同なんだろう。
レズプレイありのガチ百合でも、攻め受けが無いものもある。
それに対してBLは、挿入しなくても攻め・受けがはっきりしていて
しかもそれを表記する必要がある。
 
 
これは「腐女子は必ず攻め受けを決める」というよりも
攻め受けがBLの本質」と考えた方がいい気がしてくる。
 
で、前に考えた「カオス説」だと、どうしてもこの攻め受けが説明できない。
 
それに対してこの「投影説」だと、腐萌えの根底にあるのは投影であって
「女性としての性欲を投影された受け」を中心に置き、それを成就させるために
周囲に攻めが配置されると考えると、なんだか納得できそうな気がしてくる。
 
 
BLを見ていると、総受けやモブ姦がやたら多い。
総受けじゃなくても、一人の腐女子が複数のカップリングを好む時に
受け固定でAB、CB、DB…となってることが多い。
これも受けが中心にある投影説で考えるとしっくり来る。
 
 
 商業BLより腐向け二次創作が盛り上がることは説明できるか?
これは「腐投影説」だとうまく説明できる気がする。
第一に腐女子は女性としての性欲とか恋愛感情を抑圧しているから
ボーイズ「ラブ」な時点でかなりハードルが上がるんだろう。
元がスポーツやバトルで恋愛要素が薄い作品を腐女子が好むことも
それを物語っている。
 
 
それに投影というステップがあった方が、自己の性欲を直視せずに済むんだろう。
腐女子は性欲を投影して、自分とは切り離されたキャラ同志の乳繰り合いを妄想し
「周りの空気になって眺める」ことで、初めて安全に性欲を満たせるのだ。
 
そう考えると、おそ松腐女子があれだけ一カラが公式だと叫んでおきながら
「腐向けじゃない一般アニメだ!」と言い張ってたのも納得できる。
 
 
腐妄想の幅が異様に広いことは説明できるか?
これもわりと簡単に説明できる。
腐女子は常に性欲を抑圧して目をそらしているから、
日常の中でキュンと来たり好きだと思った瞬間に拒否感に襲われ
そのたびに自分を守るために投影で対処する癖が付いてしまうんだろう。
 
つまり妄想さえ鍛えれば
ちょっとでも萌えを感じたものは、もれなく腐変換できる。
 
LGBTとの親和性は説明できるか?
これはちょっと難しい。
でも抑圧と考えれば説明できそうな気がする。
 
本来、腐女子は「女」を受け入れる所で足踏みしてはいたけれど、
イケメンに興奮したのだからノーマルな女であるはずだ。
なのに、バイセクシャルアセクシャルを自称する腐女子が絶えない。
 
腐女子はもともと女としての性欲を抑圧しているので、腐女子の中では
「男女の恋愛には萌えないのに、同性愛だとこんなに萌える」
イコール「私は同性愛者かもしれない」という錯覚が起きる。
 
もともと百合に抵抗のない腐女子だと「じっさい百合もイケる」
イコール「やっぱりバイセクシャルなのかもしれない」となるわけだ。
 
抑圧と投影で「誰に対しても欲情しない」と強く思い込んでる腐女子だと、
アセクシャルを自称し始める。
 
キャラ萌え、カップリング萌えしてる時点でおかしいと思うんだけど
意味不明すぎて私にはここまでしか推測できない。
 
 
 学級会、ルールの多さは説明できるか?
 
これはちょっと難しいかもしれないけど書いてみる。
 
腐女子には隠れるべき論者が多い。
そして自分だけ好きに隠れていれば良さそうなものだが、周りの腐女子にまで
「隠れろ、移動しろ、鍵をかけろ」と注意喚起して回ったりする。
 
 
それに腐女子の「マナー」は独特で、隠れてると言ってもワンクッション入れるだけ、
タグ付けただけ、伏字にしただけでtwitterのオープン垢で堂々エロ妄想していたり
外野にまで腐女子のルールを押し付けてきたりと、逆に目立ってるように見える。
 
 
これは多分、普段抑圧してるせいでオンとオフが分裂してるというか、
お堅い職業ほど飲むとひどいって話と同じようなメカニズムなんじゃないかと思う。
そして抑圧してるから「周りから見えてるわけがない(見えてるなんて信じない)」
と無意識に思ってるんじゃなかろうか。
 
もうひとつ、地雷持ちの多さも腐女子の特徴だと思うけど
地雷ってのもはたから見るとコンプレックスそのもので、
防衛機制のデパートみたいな腐女子の生態から考えると私はしっくり来る。
 
※コンプレックスってのはよく言われる劣等感という意味じゃなく、
感情複合のことで、例えば「AB以外は認めない、ABが公式である」という願望と
「ABは私の空想・願望でしかない」「周りがCBを推している」という絶望や
怒りが絡み合って自力解決できない状態という意味で使ってます。
 
 
 
麻痺しているから羞恥心が薄い?
 
なぜ腐女子は人前で堂々とエロトークをするのか?
なぜ腐趣味をステータスのように思っているのか?
 
これも投影説だと、なんだか納得できる。
 
腐向け二次創作ってのは、抑圧と投影によって、極限まで自分の性欲を
他者になすり付けるシステムだとも言える。
これのお陰で、腐女子はエロ妄想をしていながら、「性欲は無い」と
錯覚することができる。
 
いや無理でしょ、と思えてならないけど、腐女子はひんぱんに
「男性向けみたいなエロありきの同人とは違う」とか
「関係性に萌えるのであって・・・」と熱弁する。
 
自分と性欲を切り離し、キャラに性欲を丸投げすることで
腐女子は傍観者になることができる。
仮にエロ小説書いてても、それは「あまりに性的な攻めと受け」が
容易に想像させる結果だから私の性欲じゃない、と思えてしまう。
 
・・・って事なのかなと推測する。
 
一方でやたら羞恥心の強い腐女子もいて、例えばうちの娘も
「学校で友達が腐発言をするのが耐えられない」と言ったり、
テレビで腐女子が話題にされるたびに悶絶している。
 
そのくせtwitterの腐垢で何の抵抗もなく下ネタ呟くのだ。
 
 
 
 
結論:「腐投影説」は腐向け二次創作については有用
「腐投影説」で色々と腐女子の生態について考えてみると、
前に書いた「腐カオス説」よりもかなり優秀というか、いい感じに
説明できた気がする。
 
とはいえ商業BLについてはいまいちうまく説明できない。
 
前々から思ってたんだけど、同じ腐女子でも二次創作系と商業BL系では
どうも生態がちょっと違うような気がする。
商業BL系にはカオス説の方がしっくり来るかもしれない。