ナマモノ(nmmn)二次創作の謎ルール

ナマモノマナー!ナマモノマナー!ナマモノマナー!

三回声に出して言ってみて下さい。私は言えませんでした。

 

 

ここ2年くらい、実況者や2.5次元の隆盛のせいか

ナマモノ界隈の炎上や学級会をよく見かけるようになった。

 

はたから見ていると複雑かつ意味不明なルールが多くてびっくりする。

 

あと10年もしたらナマモノ界隈はガラッと様変わりしているかもしれない。

その頃にこの日記を見たら「10年前ってワケ分からんな」と思うか、

それとも「何も変わってないな」と思うか、興味がある。

なので外野の私から見た2020年の状況を書いておく。

 

ナマモノ、nmmnとは何なのか

ナマモノって何よ?という人のために簡単に説明しようと思ったけど

どうもナマモノやってる人たちの間でも定義が割れているっぽい。

 

まぁpixivやtwitterで「nm」と入れて検索するだけで夥しい数のナマモノが

出てくるので、それを見るのが早い。

でもわざわざそんな検索せずとも見た事のある人は多いはずだ。

 

ナマモノとは、ざっくり言えば「実在する人物での二次創作」なんだけど

全部というわけではないようで、その線引きが人によってかなり違う。

昔はよく「実在する人物の腐向け二次創作」に限定して使われてたけど

今は夢も含むと言う人が多い。

ナマモノの定義が狭い順に並べるとこんな感じ。

   

   ↑狭

  • 実在する人物の腐向け二次創作だけをナマモノと呼ぶ
  • 実在する人物の腐、夢など恋愛要素を付加した二次創作がナマモノ
  • 上記に加え獣化、エロ、リョナなどもナマモノ
  • 上記に加え獣耳、コスプレ、眼帯など属性付加もナマモノ
  • 実在する人物のコスプレもナマモノ(←ただの仮装では…?)
  • 公式に存在しない衣装のイラスト、想像の会話をSS化もナマモノ
  • 願望や妄想を含むツイートやコメントも全部ナマモノ
  • 似顔絵、ファンイラストも含め実在する人物なら全部ナマモノ

   ↓広

 

うーん…

これで行くと、例えば私が忘年会で錦織のコスプレしたらナマモノ?

24時間テレビでよくマラソンランナーの似顔絵FAXあるけど、あれを

自分で考えた服装で書いちゃったらナマモノ?

分からなくなってきた。

ためしにうちの娘に聞いてみた。ナマモノってどこからだと思う?

 

娘曰く

タレント本人に見せられないと思ったとこからじゃない?

と。

 

なるほど。たしかに、なんでわざわざナマモノなんて隠語

呼ぶかと言えば、タレント本人に見せられないからに違いない。

名前からして後ろめたさが滲み出てるもん。

 

つまり忘年会で錦織のモノマネやりきったらナマモノじゃないけど

こりゃ人には見せられないなと思ったらナマモノだと。…あれ?ほんとか?

 

ちなみにドラマや映画など、3次元作品の二次創作を半ナマ(hnnm)と呼ぶ。

他にも色々と微妙で、

例えば新撰組でエロ妄想してもナマモノとは呼ばれないが

ちょっと前にヒットした「ボヘミアン・ラプソディ」で

下手に妄想ツイートすると即座にナマモノ警察がやって来る。

またナマモノといったらおおかた女性向けで、特撮やアベンジャーズ

二次創作小説でも男が描いたバトルものだと半ナマとはまず呼ばない。

 

 このように、つきつめるとナマモノの定義ははっきりしない

そしてこれが学級会が荒れに荒れる一因だと私は思う。

 

ナマモノは隠れなければいけないらしい

人々が言うには、ナマモノには厳しいルールがあり、それを守らねばならない。

 

よく言われるルール、マナーを列挙してみる。

  • ご本人や一般的なファンの見ている所でやってはいけない。
  • twitterでは公式アカウントをフォローしたりコメントなどしてはいけない。
  • youtubeなどの動画にナマモノ要素のあるコメントをしてはいけない。
  • twitterなら鍵垢、pixivならマイピク限定にしなければいけない。
  • ナマモノ二次創作を大っぴらにいいねや拡散してはいけない。
  • 人物名、カップリング名などは検索にヒットしないよう伏せなければいけない。

 

要は「隠れるべき論」ってやつだけど、なぜ隠れなければいけないのか?

というと、彼らが言うには

  • 名誉棄損の可能性があるから。
  • ご本人の目に入るとショックを与えるから。
  • ご本人や事務所が苦言を呈したり問題になって自由に活動できなくなるから。
  • 一般的なファンの目に入ると不愉快にするから。
  • 不愉快に感じた荒らしが晒し行為や通報をして自由に活動できなくなるから。

らしい。

 

 

マナー厨によって世間に知れ渡る

しかし、ネットを見ていると自然とナマモノの存在が目に入る。

例えば私は知恵袋を「創作」でワード検索して眺めているんだけど

ひんぱんにナマモノ界隈のマナーの悪さを嘆く質問が流れてくる。

しかも我々だやすとぷりなどジャンル名も申告してくる。

 

twitterを見れば「拡散お願いします」「お願いですからルールを守って下さい」

と注意喚起して回っている人たちがいる。

あるいは大手の同人作家がナマモノ発言すると即座に炎上・拡散される。

   

ためしにtwitterで「nmmn」と検索してツイートを眺めていると

マナー厨がナマモノツイートを貼って「ほんとやめて」

「頭おかしいの?」と晒している。

ここで重要なのは、けして一般人がナマモノを不愉快だと晒しているのではなく

同人界隈のマナー厨が「マナーを守れ」と言って晒してるのだ。

 

言っとくが私は外野なので

ナマモノが禁止になろうが炎上しようがどうでもいいんだが、

マナー厨はいったい何がしたいのかが分からない。

 

 

 

逆に言えば、「隠れ」さえすればOKらしい

  ナマモノに全く興味が湧かない私からすると、この「隠れるべき論」と

マナー厨の押しの強さになんとも言えない不自然さというか、ウソ臭さを感じる。

 

 

「隠れるべき論」を広めている人たちは、少なくともナマモノが「悪い」という

自覚があるからこそ「隠れるべきだ」と思ってるはずなのだ。多分。

 

いや、ほんとに悪いことかどうかは知らんがそう感じながら、隠れてでもやる…

やらないという選択肢が無いことに、なんだか業の深さを感じる。

 

だいたい、ぜんぜん隠れてるように見えない。

ネット上にはナマモノ二次創作が溢れているし、

twitterには「公式をフォローしてないだけ」「伏字にしてるだけ」

「画像にワンクッション入れてるだけ」で隠れてる(いや隠れてない)

ナマモノ者が大量にいる。

鍵垢でやるべき!と叫ぶ「隠れてます派」でもプロフィールに

ナマモノ専用垢を貼ってフォロワー募集しているし、

マイピク限定にしている人でも定期的に浮上してるのを見かける。

pictBLand(腐女子専用投稿サイト。実質ナマモノの流刑地)に投稿してる人でも

twitterの公開垢で「投稿しました」と律義に報告。

考えてみれば当然で、完璧に隠れ切ったら誰にも見つけてもらえない。

子供時代のかくれんぼと同じで、ほどほどに見つかる隠れ方をしない限り

ルールとして成立しないのだ。

 

 

この状況をどう考えればいいのか。

この、隠れるべきと言いながら隠れてるようには見えない状況。

 

1.すごく悪い事だと思いつつも欲求が抑えられない

2.実は悪い事だとは思ってないが、思ってるフリだけしている

このどっちかしかないと思うんだけど。

 

しばらくtwitter見ながら考えたけど、これでいくと2しかない。

1の場合はかなりの苦悩があるはずだけど、楽しそうにしか見えない。

2の場合は逆に多弁になるだろう。「悪いと思ってるフリ」をするために。

そう考えればマナー厨の圧の強さや学級会の盛り上がりっぷりは納得できる。

 

つまりナマモノの「隠れるべき」というマナーの押し付けは

免罪符でしかないと私は推測している。

それは罪悪感や不安を打ち消すための自己暗示でもあるだろうし、

周囲から叩かれずにナマモノやるためのポーズでもあるんだろう。

 

 

我々だ!の二次創作ガイドラインでモメる人々

ところで2018年に実況グループの「〇〇の主人公は我々だ!」が

二次創作を全面的に歓迎するガイドラインを出した。

これはナマモノやらない私でも、かなり衝撃だった。

なんせ全面的に歓迎なのだ。

しかも「利用者間では…各人の解釈や方針に干渉しない」という一文まである。

 

これは私から見ればナマモノ界隈が詭弁で作り上げてきた「マナー」を

ぶち壊すに十分なインパクトで、人々がこれをどう受け止めていくのか

ものすごく興味があった。

 

上にも書いた通りでナマモノ者が隠れろと声高にいうのは

表向きは「ご本人を不快にしないため」という思いやりであっても

内実は「自分が叩かれずにナマモノをやり続けるため」という利己的な動機なわけで、

(まぁ私がそう思ってるってだけだけど。)

それをご本人がはっきり突き放し(マナー厨から見れば。)

しかも「干渉しない」と、勝手なマナーで縛ることもやんわり禁じているわけだ。

 

これは荒れる!!笑

当時そう思った。そして当然のように荒れた。

 

見ているとマナー厨のスタンスは大きく2つある。

ひとつは「同人マナー、ナマモノマナーは絶対であって、それを理解してない

我々だの公式ガイドラインは認められない。一切無視するのが正しい」

という強硬派。

もうひとつは「我々だのジャンル内ルールとしては公式ガイドラインに従う

べきだが、それより上位にネットマナー、同人マナー、ナマモノマナーが

まずあって、その範囲内で公式ガイドラインに従うべきだ」という折衷派。

 

これ一見すると「折衷派が正しいんじゃね?」と思うが

よく考えてみると折衷派も我々だの公式ガイドラインを無視してることには

変わりないのだ。

 

例えば現状、twitterやpixivに堂々と我々だの二次創作を投稿しているファンが

大勢いるが、折衷派のマナー厨はそれに対して「ナマモノ二次創作は鍵をかけて

下さい」と警告する。

なぜなら、これはジャンルに関係なくナマモノの共通ルールだから。

しかし我々だの公式ガイドラインには「各人の方針に干渉しない」とある。

 

ひとつ疑問なのは、我々だの二次創作は一体誰に迷惑をかけるんだろうか?

とりあえず公式側は歓迎している。

となるとナマモノ二次創作を好まない一般的なファンだろう。

 

しかし「ファンが不愉快になるから鍵をかけろ」という理屈が通るなら

二次元も含めたあらゆる二次創作が鍵をかけるべきという事になる。

公式がガイドランで許可していても、だ。

例えば東方みたいな二次創作ありきのコンテンツでそんな事を

言ってる奴がいたらバカにされるだろう。

我々だも二次創作を歓迎している時点でそういうコンテンツのひとつと

割り切った方がいいんじゃなかろうか。

 

まぁファンじゃないから関係ないけど。

 

 

ナマモノ警察の暴走

ちょっと話を元に戻す。

ナマモノの定義ははっきりしない。

 

例えば前に、知恵袋でこういう質問があった。

 

『私はとある配信者さんのファンで、似顔絵を描いてtwitterに上げたら

配信者さん本人が喜んで下さって、動画に使ってくれました。

しかし匿名で「そのイラストはナマモノだから削除しろ」と警告を受けました。

せっかく気に入ってもらえたのに、消したくないです。』

 

質問が削除されたのでちょっとフェイク入れたが、

マナー厨が複数いるらしく困っている様子だった。

 

このケースで言えば、お呼びじゃないのは明らかにナマモノ者の方であって

当の配信者と質問者にはナマモノという概念自体がない。

そもそも二次創作という概念もないだろう。

 

昔は二次創作は個人サイトや同人イベントに限られていて

一般社会と切り分けられていたが、SNSの普及で混ざり合ってしまった。

その結果、一般人にまでナマモノマナーを押し付けているのだ。

 

 

 

私達はマナー厨の策略にはまっている!

私はどっちかと言えば二次創作自体が嫌いなので、

みんなが隠れてやってくれたらさぞかし快適だろうとは思う。

ただし「隠れろ」と言う気はないし、そもそもそんな権限もない。

 

マナー厨もただジャンルが同じってだけの赤の他人なのに

なぜあんなに堂々と同調圧力かけられるのか。あの神経が分からない。

 

「二次創作を大っぴらにやるとアンチが湧いて晒される・荒らされるからダメ」

って意見はよく見るけど、

ほんとに隠れてるならどんなにアンチが湧いても高みの見物していられるはずだ。

 

 

ここにマナー厨の詭弁があるわけで、

自分たちも隠れ切ってはいないからこそ悪目立ちするヤツが許せない

マナーで周りを縛る必要があるんだろう。

 

芋づる式に晒されるって言うなら、お前も隠れられてないよと私は言いたい。

そしてマナー厨が一番目立ってるよ、と。

 

 

・・・

・・・

もしかして、私たちはマナー厨にまんまと乗せられているんじゃないか?

つまり、本当にみんながマナーを守って隠れ切ったら、誰にも見つけてもらえずに

ジャンルが滅亡する。あるいは隠れない派だけが楽しそうに盛り上がり、

隠れる派だけが滅亡する。そんなの許せない。

 

 

私たちはマナー厨によってナマモノというジャンルを知り、

ナマモノには厳しいマナーがあると知ったのだ。

マナー厨の思う壺なのだ。なんかムカつく!

 

実際この効果はてきめんで、知恵袋にもひんぱんに

「最近とあるアイドルにハマり、私もイラストを描くようになったのですが

nmmnルールというものがあると知りました。初心者なので教えて下さい!」

って感じの質問がひんぱんにあり、そのたびにマナー厨は

「そんなことも聞かなきゃ分からないような人は、分かるまでROMって下さい。」

とさっそく嫌味をぶつけている。

  

つまり目立ってるヤツを引きずりおろす作業と、(免罪符程度に隠れている)自分を

見付けてもらう作業を一石二鳥でやってるのがマナー喚起なんじゃないのか?

そう考えた方がなんだか納得できる気がしてきた。